2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

伯夷列伝第一 vol.61

孔子は70人の門弟のうち、ただ顔淵ひとりを「好学の士」と賞賛していた。 その顔淵は、短い生涯の大半を貧乏暮らしで過ごし,粗末な食事で飽きることがなかったという。天が善なるひとに報いるという運命とは,何なのだろう。 かたや,著名なマフィアのボス…

伯夷列伝第一 vol.61

其伝曰伯夷叔斉孤竹君之二子也 古い伝記*1に拠ると,伯夷と叔斉は孤竹侯を父に持った貴公子兄弟であった。 その老父孤竹侯は、かねて年少で可愛がっていた弟の(叔)斉に地位を相続させたいと望んでいた。いざ父侯が亡くなると、叔斉はやはり長兄の(伯)夷に…

伯夷列伝第一 vol.61

いまや“学問”といっても、膨大な領域にデータベースの蓄積がある時代である。 まずは『六芸』*1の記録をスタートラインとして、考察・検討を始めるべきだろう。 『詩経』と『書経』からは、文献全体は現存していないとはいえ、虞氏 舜王, 夏朝 禹王の時代の…

太史公自序 巻七十,その最後の宣言。 vol.130

太史公曰:余述暦黄帝以来至太初而訖,百三十篇。 史家として― 私は,偉大なる黄帝の御世から現代*1に至るまで,千年間の歴史を叙述する。 130の物語として。 司馬遷 東洋最大のヒストリアンでありエディターであった太史公 司馬遷。 つれづれにそのよすがに…